「けいおん!! #22」視聴

あずにゃん無双、けいおん無双。永遠の日常は続く。


【作品情報】 けいおん!!
ジャンル:アニメ
初出:2010年4月〜、京都アニメーション
梗概:略。
個人的評価:?????


【コメント】
あと2話だな。もう音楽性を捨てたとか言わないんで。ここまでやられたら、もう何も言わんよ。参りました。えぇ。

もはや物語をつむぐことを放棄してしまった「けいおん」。このアニメは、本来物語系エンタメコンテンツが担うべき、ストーリーセラーとしての役割から、完全に"降りて"しまっている。第1期「けいおん!」のエントリーで軽く触れたが、同じくバンドモノの「キラ☆キラ」と比べてみるがいい。その余りの差に頭を抱えずにはいられないから。何なのこのアニメは、と。

あー、最近のこのblogに感じ入ることが少しでもある人は「キラ☆キラ」、PC版でもPS版でもどっちでもいいんで是非やりましょう。神ですから。


キラ☆キラ~Rock'n Rollshow~(通常版)

キラ☆キラ~Rock'n Rollshow~(通常版)


以上、布教の時間でした。

で、とりあえず触れるべき表現上の特徴として、あずにゃん視点の前景化というのがあるわな。放課後ティータイムのメンバーとしての5人組から、あずにゃん+卒業していく先輩4人という構図に、ここ数話で変化していっている。これと同じような話なんて実際に全国津々浦々で腐るほど起こっているだろう、何のヒネリもない展開が語るのは、ただただ先輩たちと過ごしてきた時間が大切だった、貴重だった、かけがえなかったというメッセージ性。憂・純は梓サイドの視点を補強する役割だ。

あーあと、さわ子先生のHTTに対する理解度の高さは、言わずもがな己の学生時代との重ね合わせに起因しているのだろう。このあいだ書いた例の第10話参照。今回22話で、窓際でじゃれあってる5人に見せた視線が印象的だ。

このアニメでやっていることは、万人が想起するだろう、女子高生の日常・友情を、音楽風味にくるんで提供しているにすぎず、それ以上でも以下でもない。ここまでは流石に断言できる。繰り返しになるが、ニッチな音楽性の追求は第1期で終了しており、第2期は完全にOP/EDに囲い込まれている。

なのになぜ!? こうもオジサン(僕のことです)たちの心を打つのだろうか? キャラ萌えといってしまえばそこで思考終了ですよ。

少なくとも俺個人の感想を述べるとだな、第1期「けいおん!」がなければ、第2期「けいおん!!」は絶対に成立しなかっただろうな、というのはある。1期に音楽性を見出すことは、おそらく誰しもが可能だろうし、音楽モノ、ガールズバンドモノとしての要素が人気を牽引していただろうことは、まぁおそらく確かだろうと思う(←反論あったらお願いしますよー)。じゃあ2期は1期のぶらさがりなのか、と言われると、どうもそれは断言しづらい。1期にあった「ゆるーい仲間意識」(もちろんこれはこれで王道の物語展開だ)をさらに拡大再生産したのが2期じゃないのかなぁと、一応結論づけてみる。

つか、最終話を見終わったらこんな感じなんだろうなぁという、「今までありがとう! これからもずーっとずーっと友だちだよ!」的な感覚が、今の内から容易に想像できてしまうのだが。「ありゃー・・唯とうとう死んじゃったのか・・・」の中の人が、件の同人誌を書いた動機、おそらく「けいおん」ユーザーなら誰でも分るはずだ。